一昨日の夜10時からNHKで「プロフェッショナル」が放送されていました。今回はロボットスーツなど、人に役立つロボットの開発の分野で顕著な業績を上げている筑波大学の山海嘉之教授にスポットが当てられていました。
実はその番組の中で、先日ご紹介した中島基樹君が取り上げられていました。外部から刺激を与えて電気信号の変化が起きているかを測定されていましたが、信号の反応は意識的に発せられたものなのか、よく分からないようでした。
山海先生のこれまでの研究の成果をもってしても、遷延性意識障害の患者に対するロボット技術の適用には高いハードルがあるようで、その点では壁を感じました。それでも、世界が注目する研究者に関わってもらっているという事実は、なんとしてもすごいことだと思います。やはり柴田先生に見てもらったことは大きいですが、彼が倒れてから10年以上献身的に彼を支えてきたご両親の力が無くてはなかったことです。
僕は彼が倒れて間もない頃に会ってから、数回会っただけで、長らく彼の家も訪れていませんでした。やはり、彼が意思表示ができない状態だったことから、心の片隅に彼の存在があっても、なかなか彼と面と向かい合う勇気がなかったからでしょう。
それでも、こうやって色々な方から注目され始めた今、彼と同じ時間を過ごしてこれたことをすごく貴重な経験だったと感じています。そして、いつの日か科学が進歩して彼のような症状の方と自由にコミュニケーションが取れるようになることを期待しています。