人権擁護大会

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弁護士 蓑健太郎が
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人権擁護大会

佐賀市で開かれた人権擁護大会に行ってきました。

これは、弁護士の人権意識の高揚を目的として毎年開催される、日弁連最大のイベントの一つで、今年で55回目になるそうです。東京を除く全国各地を持ち回りで行われ、佐賀は最後の土地ということです。

初日は3つの分科会に分かれ、一般市民も傍聴自由のシンポジウムが開かれました。テーマはそれぞれ、教育、自殺防止、沿岸域の環境保全(佐賀らしい…)です。私は第2分科会に参加しました。

資料を含めて400ページにもなる基調報告書で大きな割合を占めたのが、自殺の背後にある社会的要因という項目で、100ページ以上を占めていました。多重債務、依存症、過労、離婚、身体障害、性的マイノリティなど、人がだれしも抱える可能性のある様々な要因が複雑に絡み合って、人を自殺に向かわせるようになっているとのことで、性別、事業者・労働者の別、学生、居住地域などで、自殺者には一定の傾向を見てとれるそうです。特に地域特性については、千葉県浦安市では30代の自殺が3割、沖縄県うるま市では50代が5割、新潟県佐渡市では80代以上が4割、大阪市西成区では60代が3割と、地域によって自殺者の一番多い世代が違うことが大変興味深いデータだと思いました。自殺防止の取り組みは、このようなデータに基づいて対象を明確にして行っていく必要がありそうです。

また、滋賀県野洲市では、自治体と社会福祉協議会、不動産業者、司法書士、弁護士などが連携して、租税や家賃の滞納を契機に生活困窮者を見つけ出し、各業種が連絡を取り合って適切な機関につなぐ取り組みを行い、成果を上げているとのことで、このような取り組みは全国的に広めていく必要があると感じました。

 

2012.10.08 | RSS 2.0 | You can skip to the end and leave a response. Pinging is currently not allowed. このページの上へ▲